
親の生活習慣病や子供の肥満が急増中ですが、自覚症状がない段階での生活改善は非常に困難です。医療的な予防策と一致し、かつ実行策はひとつだけ、意識より先に習慣を変え、子供の学力向上にもつながるなど、より実践的な予防策があります。今回は、住宅改善による生活習慣病を予防する「B=MAP住宅」の驚くべき効果について詳しく説明します。
目次
密かに深刻化する生活習慣病
生活習慣病は、食事、運動、睡眠、喫煙などの生活習慣が原因となる病気の総称です。代表的なものには、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあります。
生活習慣病は自覚症状が現れにくいため、健康診断でリスクが指摘されてもそのままにされ、予防や治療を始めるは多くありません。しかし、不健康な生活習慣は確実に体に負担をかけ、最終的には心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気を引き起こす恐れがあります。
生活習慣病の発生メカニズムと課題
長期的なストレスは「コルチゾール」というホルモンの分泌を増やし、血糖値を上昇させます。しかし、その血糖は消費されず、結果として「インスリン」という肥満ホルモンが分泌され、糖と脂肪が体内に蓄積されてしまいます。これがストレス太りのメカニズムです。

医学的対策のポイント
医学的な観点から、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増やさないことが重要です。そのためのポイントは次の3つです。
1.軽い運動
週に2回、20分程度の有酸素運動を行うことで、コルチゾールの増加を防ぐことができます。
2.十分な睡眠
睡眠不足になると、通常の約100倍ものコルチゾールが分泌されることが分かっています。また、睡眠不足の影響は翌日にも続き、通常よりも3~4割多くコルチゾールが分泌されます。
3.バランスの良い食事
カロリーの過剰摂取を避け、自分の代謝量に見合った食事をとることが大切です。
医学的予防の最大の課題
生活習慣病は、国民医療費の約3割を占め、死亡原因の約5割にもなっています。さらに、40代の親世代だけでなく、子どもの肥満も急増しており、深刻な問題です。この問題に対処するには、今すぐ生活習慣を改善することが最も効果的な方法です。
しかし、自覚症状がない段階ではモチベーションが低く、改善行動を期待することは困難です。そこで、医学的なアプローチに加え、生活習慣を見直すための新しい仕組みが必要とされています。
住宅改善による生活習慣病の予防策プロセス
自覚症状がない段階では、生活改善へのモチベーションが生まれにくいものです。そのような状況下でも生活習慣を改善するためには、住宅という環境を見直すことが有効な手段となります。
以下に、医学的な予防策を基に、5W1Hを用いた分析を行い、住宅改善による生活習慣病予防策の作成プロセスを紹介します。(下図表参照)

左欄の1欄には問題解決のテーマ、2欄には睡眠、運動、食事の要素を記入します。要素ごとに生活場面をイメージし、3欄にWHO・WHY・WHAT・HOWを記入します。その後、これらのイメージからWHEN・WHERE・SITUATIONを抽出し、4欄にメモします。これが住宅関連情報となります。
最後に、4欄の住宅関連情報を総合的に判断して、住宅改善による生活習慣病の予防策としてまとめます。
住宅改善による生活習慣病の予防対策

住宅改善による生活習慣病予防の基本対策は、以下の3つです。
1.医学的な予防ポイントは規則正しい生活
コルチゾールの分泌を抑えるためには、十分な睡眠、定期的な運動、バランスの取れた食事、特に朝食をしっかりとることが重要です。これらを実践するには、規則正しい生活を心がけることが共通の解決策となります。
2.規則正しい生活は体内時計を活用すること
具体的には、毎朝、ダイニングキッチンで太陽の光を浴びながら、家族揃って朝食をとる習慣をつけることです。
3.住宅改善には「B=MAPモデル」を採用する
モチベーションより行動の容易性を具現化することで、人々は行動を起こしやすくなります。
驚異的な対策が支持される5つの理由
理由1.ひとつの対策で、すべての効果を実現
ひとつの対策で複数の効果を得ることには、2つの目的があります。1つ目の目的は、もし発病したとしても軽症ですむことです。2つ目の目的は、生活環境である住宅を整えることで、共通の生活場面を支える舞台を作ることです。
たとえば、朝日が差し込むダイニングキッチンのような環境を整えることで、睡眠、運動、食生活のすべてにプラスの影響を与えることができます。このような生活の舞台を準備することで、健康的な生活習慣を自然に取り入れやすくするのです。(前述のプロセス表参照)
理由2.生活習慣を変えるB=MAPモデルの採用
「心を入れ替えないと行動は変わらない」と思っていませんか?実はそうではありません。モチベーションよりも行動の容易さによって人を動かす「B=MAPモデル」によって、生活習慣を変えることが可能です。
※参考記事の紹介
B=MAPモデルで生活習慣を先に変える!意識改革より効果的な住宅づくり - イエケンブ

理由3.家づくりは生活習慣予防の絶好の機会
自覚症状がないうちに予防を始める人は少ないかもしれません。しかし、こうした予防行動を促すためには、他の計画や目標に便乗するのが効果的です。
たとえば、国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、30代でマイホームを購入する人が最も多く、注文住宅や分譲住宅を購入する人のうちおよそ40%以上を30代が占めています。つまり、家づくりは、生活習慣病予防に取り組むための絶好の機会といえるでしょう。新しい生活をスタートさせるタイミングで健康への意識も高まりやすいため、このような時期に予防行動を促進することが重要です。
理由4.子供の学業成績が上がる
※文部省の「みんなで早寝、早起き、朝ごはん」から抜粋
(1)日朝ごはんをとる子供ほど、ペーパーテストの得点が高い傾向にある
(2)男女ともに肥満傾向児の出現率は、約10%
※大阪市淀川区「ヨドネル睡眠学習改善」より抜粋
(3)毎日、同じ時刻に起きると回答したグループほど、平均正答率が高い傾向
理由5.継続する楽しみ、やる気が育つ
睡眠、運動、食生活の目標達成状況を自己採点し、○×△で家族ノートに記録することで、小さな成果が見えるようになります。これにより、次第に継続する楽しみやモチベーションが高まります。
まとめ

1 . 生活習慣病の医療的予防策と課題
予防のポイントは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えることであり、その具体策として、軽い運動、十分な睡眠、バランスの取れた食事など、健全な生活習慣への改善が推奨されています。しかし、自覚症状が少ないことが早期予防の障害となっています。
2.住宅改善による生活習慣病予防の基本対策
太陽光が入るダイニングで家族一緒に朝食をとる習慣を身につけることで、体内時計が整い、予防の核心である規則正しい生活が実現します。さらに、意欲よりも行動のしやすさを重視する「B=MAPモデル」を取り入れた住宅改善により、これまでの生活習慣を変えることが可能になります。
3.住宅改善による予防策が支持される理由
ひとつの対策で予防効率と生活習慣の実現率を高めるだけでなく、家づくりのタイミングは、健康意識を高め、生活習慣病予防を取り入れる絶好の機会となります。また、毎日一定の起床時刻で朝食をとる習慣は、子どもの学業成績向上にも寄与します。さらに、家族で健康目標を共有し、小さな成功を「見える化」することで、継続的なモチベーションが育まれます。
以上