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大分港で野鳥が逃げなくなった理由!75歳、消えた“殺気”の贈り物

大分港で釣り糸を垂れていた9月6日の朝のこと。ふと、竿の先に、一羽の小さな野鳥が止まった。風はなく、波も静か、まるで時間そのものが止まったようだった。

昨年までは、鳥に近づけば一斉に飛び立ったものだが、今年の春からはジョギングしても野鳥が逃げなくなった。彼らは、私を脅威とは思わなくなったのだろうか。

理由はおそらく、「殺気」が消えたからだ。無理に抑え込んだのではない。ただ自然と、私の内から溶けだしたのだ。今年の12月で75歳になる。後期高齢者になると、人の中に潜んでいた尖った気配も、無くなっていくのかもしれない。

けれども殺気が消えるのは、老いのせいばかりではない。何かに夢中になっているときも同じだ。釣りに没頭しているとき、私は水面と向き合うだけの存在になる。その瞬間、人は風景の一部となり、自然と同化する。

殺気が消えれば、野鳥たちの暮らし──彼らのありのままの「ワイルドライフ」が目の前に現れる。そこには心を不思議に躍らせる未知の世界が待っている。

歳を重ねることは、確かに多くを手放すことでもある。だが同時に、これまで見えなかったものが静かに姿を現す。野鳥が竿先に止まったあの一瞬もまた、その贈り物のひとつだったのだ。

(2025.9.6)

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