
「モデル住宅を見れば見るほど、迷ってしまいます。どうしたらいいの?」。こんな質問にお答えします。本記事では、自分たちの暮らしに合う生活環境、つまり「相性のいい家」をチェック・判定する方法を詳しく説明します。
✔本記事テーマ
この記事を読むと、見学した住宅が自分たち家族の生活スタイルに合うかどうかを判断できるようになります。住宅見学をするたびに、チェックノウハウが溜まります。その結果、夫婦で、間取りやインテリアなど家づくりを楽しめます。
なお、この記事を書いている私は、一級建築士歴40年、コンサルタント歴20年、2015年から住宅雑誌「月刊住宅ジャーナル」に、コラムを連載しています。
目次
住宅見学で一番知りたいこと

迷うという悩みの原因は、何を見たら良いのかがわからない。わかったとしても物差しがないので、良い悪いがわからないからです。
例えば、どんな家が流行なのか、どんな性能があるのか、そして価格を確認することです。でも、一番重要なのは、実際の生活がイメージできるかどうかです。この家に住むとどんな生活ができるのか、できないのかを、肌で感じることです。実物大ですから、イメージしやすいですね。
ハウスメーカーの住宅には、会社としての価値観(コンセプト)が表現されています。それを知った上で、自分の家族の価値観にあう部分、合わない部分を判断するのです。つまり、自分と家族と相性がいい家とは何かをチェックすることが重要です。これが、住宅見学の究極の目的ですね。
相性がいい家チェックの8項目

相性がいいとは、自分たち夫婦の価値観と、住宅の特性がほぼ一致することです。
相性度を判定するには、住宅特性と夫婦価値観を測る項目、つまりチェック項目が同じでなくてはいけません。
以下は、私が使用する8つのチェック項目です。
① コミュニケーション
・夫婦が求める家族コミュニケーションの度合いです。「高密着型・中間型・あっさり型」から選びます。住宅特性は共用面積が広く、総個室面積が狭ければ、密着型にします。
② アイコンタクト
・夫婦が欲する快眠・休養の条件です。「一緒に寝る(寂しがり屋)・中間・一人で寝る(一人が好き)」の3タイプから選びます。家族ゾーンと個室ゾーンの区画があいまいで、吹き抜けなどで顔が見える間取りであれば、アイコンタクトを高く設定します。また、書斎なども考慮します。
③ フレンドリー
・夫婦の生活スタイルです。「にぎやか・穏やか・静か」の中から選びます。公私分離が低く、ダイニングで接客する間取りだと、フレンドリーを高くします。
④ パーソナライズ
・夫婦の生活スタイルです。「干渉されない自由な生活・中間・ルールが多い制約生活」から選びます。
⑤ リラックス
・リラックスできる空間なのかをチェックします。「心落ち着く・普通・居心地が悪い」から選びます。
⑥ フレキシブル
・ライフステージは必ず変化します。夫婦二人暮らし、高齢者暮らし、一人暮らしになったとき、柔軟性に対応できるか、リフォームしやすい住宅かをチェックします。「高い・普通・低い」から選びます。
⑦ セイフティ度
・耐震性、省エネ性、防犯性など、住宅性能をチェックします。「高性能・中間・低い(建築基準法)」から選びます。
⑧ コスト
・60年間、幸せに暮らせる家としての投資対効果を考えて、チェックします。「高価・普通・安い」の中から選びます。
相性のいい家チェック法

基本の仕組み
私の「相性のいい家チェック法」は、ご夫婦の価値観、つまり実現したい生活スタイルと、モデル住宅の特性を同じ「物差し=キーワード」で測り、比較することで、住人と家の相性度を判定します。
チェック作業の進め方
1ステップ:夫婦それぞれの性格・価値観を調べ、チャート図に表す
2ステップ:住宅見学時に、特徴を調べて数値化し、チャート図に表す
3ステップ:夫婦価値観と住宅特性を重ねたチャート図を作る
4ステップ:ご夫婦とモデル住宅の相性度を判定する
・グラフの類似度が70%以上を、良い相性と判定
この例では、モデル住宅がママよりパパとの相性がいい家になっています。チャート図を見れば、どの項目を高くすれば、ママがママらしく生活できる家になるかが、簡単にわかります。
簡単ツールの作り方
このチャート図はレーダーチャートと呼ばれ、ワードを使って簡単に作成できます。
先ずはワードを開き、挿入をクリックします。次にその中のグラフをクリックすると、テンプレートが表示されます。レーダーをクリックし、中央の星形グラフをクリックします。するとエクセルが表示されます。
数字を記入すると、レーダーチャート図が自動作成されます。変更も簡単にできます。
相性チェック法の使用メリット

このチェック法の目的は、家を建てることで起こる一番のリスクを防ぐことです。
リスクには、災害リスク、家計リスク、健康リスク、家庭リスクなどがありますが、最も確率が高いのが家庭不和リスクです。
夫婦関係や親子関係がうまくいかないと、引きこもり・家庭内暴力・離婚などの原因となり、大きな社会的問題になっていきます。
自分たち家族が幸せに過ごせる生活スタイルと、その生活環境である家が、相性のいい家かどうかをチェックするのは、基本中の基本の事ではないでしょうか。
相性のいい家チェックで、ハッピイライフ!

本記事のまとめです。
1. 住宅見学で知りたいこと
・自分たちの暮らしに合う家の要件
・自分たちと相性のいい家のチェックの仕方
2. 相性のチェック項目は8つ
・コミュニケーション、アイコンタクトなど
3. 相性のいい家チェック法の仕組み
・夫婦の価値観とモデル住宅の特性を
・同じ物差しで測り、相性度を判定する
・レーダーチャート図で一目瞭然
4. チェック法の使用目的
・家庭不和リスクを防ぐために
相性のいい家チェックで、ハッピイライフ!
この方法を使うと、住宅を見学するたびに、自分たちが目指す生活スタイルに合った家が浮かんできます。このイメージが家づくりの原点になります。